なんか、昨日は半端なところで切ったなぁ

 ふむふむ、つまり共有者に名乗り出てもらえば、人間確定…もしくは半数の人狼側を引き出せる。
 いまなら、実は襲撃されていたと言うこともないし、出てもらうことに意味があるかもしれない。
「それなら、共有者1人に出てもらうと言うのはどうかしら?」
 ざわざわ――食堂にどよめきが、広がる。
「もしも、今日の占いをみんなで決めても、明日人と出るとは限らないわ。そうすれば、明日も繰り返しでしょ?」
「しかし、表に出るものが増えれば、襲撃の危険が増えないか?」
 トーマスがそんな風に懸念を口にした。
「名乗りを上げても上げなくてもリスクは変わらないと思うわ」
 私は、最初にそう言い切って。
「1人だけ表に出てれば、その人は安全かも知れないけど、結局隠れてる能力者に当たる可能性が上がるだけよ」
 ――なるほど、確かに。そんな声が、どこからか聞こえる。
「それなら、ちゃんと仕切ってくれる人に任せて混乱を減らすほうが得策だと思うわ」
「うむ、私もパメラに賛成だ。他のみなは何か意見はあるかね?」
 村長さんが同意してくれる。他にも数人同意を表してくれた。
 少し、沈黙が広がったが、特に反論はないようだった。
「それじゃあ、出る気が無い人は、出る気が無いって言っていけばいいかしら」
 私がそう言うと、村長さんが手を上げて。
「いや、それには及ばない、私が共有者の片割れだ。対抗の意志がなければ、そう言ってほしい」
「って、村長さんが共有者だったのね…私は、対抗しないわ」
 その後、みんなの非対抗の意志が告げられた。
「これで全員ね。村長さんは確定って事で、よろしくお願いするわね」
「うむ、それではまず占い師の件だが…今日は、まだ隠れていて良いと思う」
 さっそく、村長さんがそう告げた。
「確かに、襲われてしまうこともありえるが、深く考えすぎてもまとまらんしな」
 確かに…それに、人狼側が誰が能力者かわからないなら、比較的リスクも小さいかもしれない。
「それでは、占いの希望を挙げてもらおうかな。単純に多数決にする気はないが、参考にはなるだろう」
 さすがと言うべきか…村長さんの仕切りは手馴れたもので、テキパキとしていた。
 決定権がまとめにあるおかげで、無用な議論ではなく自分の意見を言う希望になったのが良かったのだろう。
 思いのほかスムーズに、占いは決まった。
 今日の、占いの対象は集まった意見とその理由からトーマスに決定された。
 私はあまり気にしなかったけれど、まとめ役を立てるのをしぶった感じを気にする人が多かったらしい。
「これで、大体の決定は終わったな。あぁ、発表は人だったなら黙っていてくれて構わない」
「もし、人狼だったら?」
「第一声で、結果を言ってくれればいい、そうすれば全員の発言一巡で人確定だ」
 私の問いに、村長さんは簡潔に答えてくれた。なるほど納得。


 そうして、議題もまとまったところで、今日の集会は解散になった。
 こうして、惨劇の夜は更けていく――