せめて、ゲルトは食べたいな…配役決めてないけど(苦笑)

 夢の中で、私は鏡の中の私と向き合っていた。
 というか、鏡なんだから向き合うのは当たり前だと思うけれど。
 その時、鏡の私が唐突に口を開いた。
「あなたは、ただの村人です。以下略」


 …略かよ。
 何はともあれ、私は"ただの"村人らしい。
 村には村人が7人、占い師が1人、霊能者が1人、狩人が1人、共有者が2人、人狼が3人、狂人が1人いるらしい。
 ただの夢…と、笑い飛ばせない何かがあった。
 しかし、これが事実だと、気になることがある。
 村長さんは、相互監視にグループ分けしたといったけれど、メンバーはランダムだったのだろうか?
 それが、こんなに都合よく、振り分けられるのだろうか…?
 村長さんは、何かを知っているのかもしれない。


 朝が来て、食堂に下りてみると、何人かが集まって話をしているのが聞こえた。
 どうやら、夢の話らしい…が、聞いてみるとどうも、私が見た夢と同様のようだった。
「鏡を見ている夢を見たんだ。その鏡にあなたは、村人です…って」
「え? ヨアヒムもかい? 単なる夢にしては、内容がはっきりしてるし気になってたんだ」
 ヨアヒムとオットーをはじめとして、今居る人は大体同じ夢を見ているようだ。
「ん? お、パメラおはよう。昨日見た夢なんだけど――」
「うん、聞こえてた。私もほとんど同じ夢を見たわ。向こうのほうでも同じような話してた」
「みんな、同じ夢を見てたとなると、なんだか本当って感じがするね」
 声をかけてきたヨアヒムとオットーに挨拶すると、私も同じ席についた。
「そうね…そうなると、人狼が3人っていうのも、本当なのかしら」
「単なる夢…って、片付けたいのが本音だけどね」
 そうともいえない説得力がある…オットーはそう言いたい様だった。
 ま、まだ何ともいえないけれど…
 もしも、全員が同じ夢を見ているなら、なんらかの進展はあるように思う。
 この、グループ分けに意味があるなら、進展させるつもりだろう。
 夢の話に、花を咲かせる二人を尻目に、私は村長さんの登場を待っていた。