ノックスの十戒

というのはご存知の方もおられると思いますが、ミステリーにおける10個のルールというかお約束というヤツです。
公式のルールというわけではないですし、もちろん「守らなくては面白い作品にならない」という類のものではありません。
さて、この十戒の中にはいくらか「超能力や超科学などの神秘の使用」を禁じるものがあります。
5項の「中国人を登場させてはならない」などは、言葉そのままの意味ではなく、中国人=神秘の塊と認識されていたためです。
さて、これらの条項は何のために存在するのかを考えると、全て「読者と探偵役の情報量をフェアにする」ためだとわかります。
探偵役が「読心術」で事件を解決しては面白くないですからね。
犯人側も未知の能力で密室などを作ってしまっては解決のしようがありません。


では、読者にとっても探偵役にとっても既知の事柄だったらどうなんでしょうか。
ノックスの十戒事態にも書かれていますが、結局その情報が既知であれば問題ないんですよね。
既知であるというよりは、ありふれているというべきかもしれませんが。
まあ、誰でも密室が作れるなら密室を作る価値なんてないんですけどね。


ミステリーとして作られたものではないと思いますが、ポリフォニカ黒1巻などでも、密室が出てきます。
また、貫通していないはずの弾丸が消えているという謎もあります。
これらは「精霊であれば可能」という事実で、探偵役にも読者にも共通認識になってます。
まあ、犯人は精霊であると絞れてはしまいますが、これも問題ない範囲といえるでしょう。


いやまあ、ここまで書いてきて何が言いたいかって言うと、ポリ黒ってミステリっぽい構成だなと思いまして。
その時、あの特殊能力に溢れた世界でミステリって成り立つのかなと考えてしまいました。
まあ、成り立つ以前にあの1巻はそれを利用してトリック作ってる感じですが。
前出の通り、誰でも作れるなら密室に意味はなく、精霊だから作れる密室を精霊がわざわざ作る理由もないんですけどね。
事実、それはトリックだったので、勘のいい読者なら前述の理由でピンときちゃうんでしょうけど。


まあ、ポリ黒は元々ミステリとして書いてたかどうか知らないのであれですが。
ミステリでもこうやってノックスの十戒(お約束)を逆手にとって、面白くする手法は取られるみたいですね。
あれ、なんかやっぱり今日も何が言いたかったのか自分でもよくわからなくなっちゃいました。


コメントに爆笑してしまった……。