流れに沿って書いてみると、本当に人狼って長いんだなぁ

 食堂の外が、ガヤガヤと騒がしくなってきた。
 どうやら、やっぱり、あんなことがあったところに入るのはためらわれるようだ。
 レジーナが外に出てはっぱをかけている。
 レジーナに押し込まれるようにして、数人人が入ってくる。
 ディーターが私の横に腰を下ろして。
「なんだ、パメラが一番乗りか、なんてーか、平気そうだな?」
 などと聞いてくるので。
「まぁ、綺麗に掃除されてるしね」
 と、答えておいた。


 結局、村人を食堂に入れた後、村長さんが入ってきた。
「えー、朝にも言ったが、村人に被害が出た以上、黙っているわけにはいかんので、処刑投票を行う」
 全員の顔を見回して(むな一様に暗い表情だったが)村長さんは続けた。
「気は進まんと思うが、少しでも被害を減らせる可能性があるなら、その方法を採りたいと思う」
 そうして、村長さんは、村人に投票の希望を聞いていく。
 やはり、アルビンやニコラスには投票が集まってしまうようだ。
 そうして、私に話が振られる。
「私は、占いの希望はアルビンさん、理由としては、人狼の話を出し惜しみしてるように感じるからね」
 そこで一呼吸置いて。
「処刑の希望はカタリナよ。理由は、羊が襲われたって言うのに、積極的に議論に参加しないからね」
 さすがに、ざわめきが走った。
 処刑投票で、村の人間を選んだのは私だけだから、当然かもしれないけれど…
 村の人間から選ぶなんて――等の声が聞こえてくる。
「村の人間だからって外すわけには行かないわ。人狼が3匹いるなら、最低1人は村の誰かなんだし…」
 私はカタリナのほうを、見つつ。
「カタリナは羊が襲われた惨状を目の当たりにしてたのに、積極的じゃないから気になったのよ」
「わ、私は…」
 カタリナがたじろぐ。
「まぁ、まだ希望を聞いてる段階だ、そこらへんにしておこう」
 と、村長さんが止めに入った。
 私は、その村長さんに向き直り。
「そういえば、希望を聞いてるけど、このまま投票はしないの?」
「うむ、バラバラに投票すると、人狼に票を操作されるかもしれんからな」
「票の操作とはどういうことだ?」
 トーマスが村長に尋ねる。
人狼は3匹、しかも相談できるらしいだから、村側も意見を統一して臨もうと思ってな」
「なるほど納得、つまり希望を集めて、村長さんが決定を出すわけね」
「ああ、そのつもりだ。決定まで少し時間をかけるから、各々今日の希望を受けて議論していてくれ」
 村長さんは、そういい残して厨房の奥に入っていった。