ラジオ番組 #09
実験その2
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菫 :皆さんごきげんよう。六道菫です。
菫 :とまあ、少し真面目に挨拶をしたところで、メインを私たちで持ちまわることになったようで、今日は私がメインらしい。
菫 :当然のように、今日もゲストを呼んであるから紹介するぞ。えーっと、何々、心優しい癒し系……しかし、実はエロくてはらぐr……。
ガラガッシャーン!
栗毛:ちょっとちょっとーー!! そんなこと書いてないでしょ! 酷いよそれ!
菫 :なんだ、まだ紹介の途中だぞ、勝手に出てくるな。
栗毛:出てくるなって……あんな紹介されたら、黙ってられるわけないじゃない! それに、なんだよこの名前。
菫 :うむ、ここの名前表示は文字数制限があってな、端的でわかりやすくていいだろう?
栗毛:酷ッ! すでに名前ですらないし!! というか、せめて名前くらいちゃんと紹介してよ。
菫 :あんな自己紹介文を送ってくる方が悪い。まあ、ここまででおおよそ人物像は掴めたと思うが、これがゲストの栗毛ことヴァスケス君だ。
栗毛:どうもー、ニアリー一家の常識j……ツッコミ役のヴァスケスでーす。っていうか、ニラまないでよ……。
菫 :虚偽とは言わんが、自分がまともだと言いたげなのが、無性に腹が立ってな。
栗毛:酷い上に意味わからないし。僕はまともだと思うけど? 少なくともこの近辺では……。
菫 :ほう? うなぎで体を縛られて悦に入るのが、まともだと?
栗毛:それはバイアさんが勝手に……っていうか、悦に入ってないし!
菫 :まあ、どうでもいいんだが。
栗毛:また何気に酷いし。全然どうでもよくないし。
菫 :それにしても……。
栗毛:ん? なに?
菫 :いや、ニアリー嬢に聞いてたが、本当に女装癖に目覚めたとは……。
栗毛:○×△□×!?!? 女装癖じゃないよ! 起きたらこうなってたんだから、僕もなにがどうなってるのかサッパリ。
菫 :まあ、元々女顔だったから、こうしてると、普通に女装癖にしか見えないが。
栗毛:うう……実はちょっと気にしてたのに……というか、ニアリーさんからどういう風に聞いてたのさ?
菫 :ん? ああ、なにやら原因不明だがアコ君が女の子になってしまったと。
栗毛:ホントに原因不明だよ。朝起きたらこうだったし……。というか、一言たりとも女装って出てきてないよね?
菫 :私は空気と行間を読むのは得意なんだ。
栗毛:変な空気と行間読むのやめてよね。得意というかむしろ、特異だよね?
菫 :すまんすまん。とりあえず君を見てると弄りたくなるんだ。宿命というヤツだな。
栗毛:そんな宿命要らないし! なんか、全然話とか進んでないけど、いいのコレで?
菫 :むしろ、君をゲストに呼んでいる目的としては、中の人の思惑通りに進んでいる気がするがな。
栗毛:つまり、そういう展開のために僕を呼んだのね……。
菫 :まあ、そういうことだな。君の場合ギャグ担当というか笑いを取る方向しか期待されて無いだろう。
栗毛:酷し! そういうのはリコマさんとかが適任じゃないか。
菫 :私じゃリコマ嬢にツッコミ入れられないから、笑いどころか異次元空間だぞ。
栗毛:あーまーそーかもねー。そういえば、この女性化、六道さんの薬とかでなんとかならないかな?
菫 :そんなのは考えたことも無いからなあ、研究の余地はありそうだが、何を探ればいいのかわからん。
栗毛:そっかあ。ニアリーさんたちにも気を遣わせちゃってるし、なんとかしたいんだけどねー。
菫 :うーむ、ヴァス君自身を調べるにも、見た感じ普通の女性の体のようだしな。
栗毛:う、うん……まあね……。
菫 :顔を赤らめるなよ。この変態。
栗毛:ちっ、ちがっ! そうじゃなくて、最初に気を遣わせたのも体が変わって不便ってことだったなあと。
菫 :ん? なんだ、せいr
栗毛:わーわーわー!! 何口走ろうとしてるの!? そうじゃなくて、女性ものの……その、下着が必要だろうって……。
菫 :ああ、まあ、そりゃそうだろうなあ。大体不便なのは、その辺りか?
栗毛:そうだねー。ちょっと、今までとバランス感覚違うから戸惑うのはあるけど、同じ人間だから、それほど重大ではないかも。
菫 :何気に、スタイルよさげだしな。目立たないようにはしてるみたいだが。
栗毛:あんまり恥ずかしいこと言わないでよ。まあ、身長とか体重は実は変わってないんだよね。体の線は少し細くなったけど。
菫 :その分の重量が、胸に回ったのか。身長は元々そんなに高くなかったから、違和感が少ないな。
栗毛:そうだね。平均身長より低かったのが、逆に平均より高くなったのはなんだか複雑だけど。
菫 :まあ、落ち込むことじゃないだろう。まあ、そういった例が他になかったかとか調べておいてあげよう。
栗毛:本当? 助かるよ、ありがとう。
菫 :まあ、未知の実験というのも……。
ピンポンパンポーン
菫 :と、なんやかんやで、時間みたいだな。
栗毛:え? なんか全然まともに進行してない気がするんだけど、よかったの?
菫 :いいも悪いも時間来たんだからしようがない、進めるべき進行なんてないしな。
栗毛:いい加減だなあ……。
菫 :いつものことだよ。じゃあ、締めと行こうか。
栗毛:うん。今週もここまで聞いてくれて、ありがとうございました。
二人:それでは、また来週までー。
菫 :ごきげんよう。
栗毛:おやすみー。
楽屋裏
栗毛:ところで、最後……実験がどうとか言ってなかった?
菫 :言ってたぞ。実験台にもなってもらう必要があるしな。
栗毛:ヒッ! なんか、隠されないとそれはそれで怖いしッ!!
菫 :仕方ないだろう、今のところ私の知る範囲で同じ症例が無いんだから。
栗毛:うう……やぶへびだったかなあ?
実験その2ということで、菫バージョン。
ゲストは栗毛君。掛け合い漫才にしか見えない。
実は、アイデアとして、菫が進行放棄してヴァス君が進行をするという展開も考えていたのですが。
書いてみたら、自然とこの展開になっていました。
やっぱり、弄られ役はアコ君の宿命だと思います。