続き

ルビが面白かったからいっぱい使うかも…


 声がするほうに振り返った私が見たのは、よく見知った人だった。
 淡い金髪の若い騎士ナイトの男性だった。


「アレスさん! 戻ってたんですね」
「あぁ、やっぱり、セルフィちゃんか〜普段と全然違うからびっくりしたよ」
「えへへ〜私、冒険者になったんですよ。まだ、見習いだけど」
「いやいや、修練士ノービスだって、立派な冒険者だよ」
「そういってもらえると嬉しいです! 私もアレスさんみたいに誰かに武勇伝を語れる様になりたいです〜」
「はは、目標にしてもらえるなんて光栄だね。ところで、ここにいるってことは服士アコライト志望?」
「いえ、ここには挨拶のために来ただけで弓手アーチャーになろうと思ってるんですよ」
「へぇ、じゃあ、これからフェイなんだ?」
「はい、そうなんですけど…すぐに向かうか、修行しながら向かうかで迷っていて……」
「あー…なるほどね。転送って言うのも味気ないしね。でも、ここからフェイだとちょっと危険かもね」


 そういって、アレスさんは少し悩むようなしぐさをした後、何かを思いついたのか顔を上げて、
「ちょっとまってね」というと、何かを書きだした。
 書きあがった何かを私に差し出して、


「このルートで行けば危険なことは殆どないと思う」


 私は差し出された紙片をしげしげと眺めた。
 どうやら地図らしい、大雑把な地図に大雑把に線が引かれていた。


「えーっと…ルートって言うのはこの線ですか?」
「うん、それと手を出さないほうがいいモンスターの名前も挙げておいたから」


 言われて、よく見るとなにやら名前らしきものが書き込まれていた。
 これが「手を出さないほうがいいモンスター」の名前なのだろう。
 私がお礼を言うと、アレスさんは少し照れくさそうに頬を掻くと、


「本当は、俺が付いていってあげられれば良いんだけどね。少し外せない用があってさ」
「いえ、これだけで十分助かりますよ〜頑張って行ってきますね!」
「うん、転職試験合格するのを楽しみにしてるよ。今度は一緒に冒険できるといいね」


 そう言って私たちは、手を振って別れた。
 私はアレスさんから貰った地図を手に、プロンテラの南門から一歩踏み出した。
 それは私の冒険の第一歩だった。




多分、つづく…